慢性腰痛とは3か月以上継続する腰痛を指しています。腰痛は重たいものを繰り返し上げ下ろしする現場作業の方に起こりやすいことはよく知られているかと思います。しかしそれだけではありません。デスクワークを中心にされている方も40%が慢性的な腰痛に悩まされているというデータもあります。
図1:椎間板の位置
デスクワーカーが腰痛を感じる場面で最も多いのは長時間座りっぱなしの間、もしくはその後とされています。背骨と背骨の間にある椎間板(図1)は直立で立っているときより、座っているときの方が圧力がかかる(140%以上と試算されている)ためデスクワーカーは椎間板を由来とした腰痛リスクに注意した方が良いでしょう。また物理的なストレスだけでなく、心理的なストレスも慢性腰痛に影響することが様々な研究からわかってきています。慢性腰痛の発症は自覚的なストレスが高いほど高く、抑うつ(気分の落ち込み、意欲の低下)度が低いほど低いとされています。これらは前回のコラム「肩こりのまとめ」でも共通するところがありました。
ガイドラインより慢性腰痛を緩和する方法として運動療法(筋力トレーニングやストレッチを含む)が推奨されています。特に、お尻や太もも裏の筋肉が硬くなると骨盤が後ろ側に傾き、椎間板の内圧が高まりやすくなってしまうので柔軟性を維持・向上させたいところです。ただし効果的なストレッチ方法や筋力トレーニングは個人によって異なりますので是非当サロンにお越しいただき、ご相談くださいませ。
参考資料)
1)慢性疼痛ガイドライン2021
2)日本シグマックス社調査https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000444.000002354.htmlより2024/11/10引用
3)伊藤彰浩(2023)「第5回 椎間板性腰痛 セルフチェック編」
4)栗田 宜明, 二階堂 琢也, 富永 亮司ら 腰痛に関する全国調査報告書 - 2023 年版 -. 日本腰痛学会, 2024.URL https://www.jslsd.jp/contents/uploads/2024/08/lbp2023report_jpn.pdf